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○ ご挨拶 

第31回日本ストレス学会学術総会の開催にあたって

 今年度のストレス学会の開催にあたって、テーマを「環境とストレス 再考」と致しました。これは、ストレスを主体に対する環境の作用であるとの視点に立ち、最近の環境変化について改めて見直し、環境とストレスとの関係を改めて考えてみよう、という企画であります。

 自然環境での具体例ですが、東日本大震災およびそれに関連しての福島原発事故が起こりました。4年が経過しましたが日常回復にはまだ相当な時間がかかりそうです。気象にも変化があります。地球温暖化にも係わるのでしょうが異常気象といわれて何年にもなります。ゲリラ豪雨という新語もできました。従来型の事象になるのでしょうが、最近では、御岳山の爆発や箱根の火山性地震も心配な話題となっています。

 人工的な環境では変化が目白押しです。景気は回復基調と思われますが、一部には取り残された領域もあるようです。経済活動・産業活動の変化が背景にあってのことと思われますが、格差社会の拡大が懸念されます。税関連のさまざま制度が変わりました。近いうちに消費税の増税も予定されています。医療保険制度や福祉制度も少しずつでありますが、変化を続けています。労働法制も大きく変わってきています。最近は国防問題の議論も盛んのようです。

 こうした環境の変化が人の健康にどのように影響するのか、まさに自然の中で実験が行われているかのようですが、このような新しい環境の変化を人への健康影響の視点で適確に捉え、その影響について改めて検討する必要があるのではないかと思うわけであります。

 人を取り巻く環境については物理的環境、化学的環境、および生物的環境を合せて自然環境とし、人間が作ったさまざまな造物についてはハードもソフトも合せて人工的環境とされています。環境からの影響をストレスの視点から見ると実にさまざまな内容が含まれます。今回の学会に、さまざまな領域の研究者や実務者に集って頂き、それぞれが得た「知見」や「考え」、あるいは「思い」を共有できれば大変あり難いことと考えております。多くの皆様方の参加をお願い申し上げます。


第31回日本ストレス学会学術総会 学会長
杏林大学医学部衛生学公衆衛生学教室
客員教授 角田 透

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